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小浜温泉まちづくり「脱炭素×フェーズフリー」プロジェクトが始動しました(キックオフ報告 前編)

瀬戸正志

現在、小浜温泉では観光庁の「地域の観光資源充実のための環境整備推進事業」を活用した、新たなまちづくりの調査プロジェクトがスタートしています。本ポータルサイトでは、今後毎週このプロジェクトの進捗や裏側をお届けしてまいります!

第1回は、去る7月2日(木)に小浜公会堂およびオンラインのハイブリッド形式で開催された「キックオフミーティング」の様子(前編)をご報告します。当日は、地元で活躍する若手事業者グループ「OBAMA RISE」の皆様をはじめ、雲仙市、長崎県、そして日本を代表する参画企業の方々が一堂に会し、スタートを切りました。

■ 小浜温泉の強みと、直面する「リアルな危機感」

小浜温泉には、日本一の熱量を誇る105度の源泉と、まちの至る所から立ち上る湯けむりの景観という圧倒的な魅力があります。この蒸気で橘湾の豊かな海の幸や地元野菜を味わう「蒸し釜料理(地熱ガストロノミー)」は、世界に誇れる宝です。 しかし一方で、私たちのまちは深刻な課題に直面しています。人口減少により、2030年までの5年間で市内の地域消費額が100億円以上も失われると推計されています。さらに、中心市街地には空き家や空き店舗が増加し、温泉街のつながりが途切れつつあるほか、自然災害への備えも急務となっています。このままでは、日々の生活インフラを維持することすら難しくなってしまうかもしれません。

■ 補助金頼みからの脱却。「自走するまち」へ

そこで私たちは、単に国や行政の補助金に頼り続けるのではなく、民間投資を積極的に呼び込む決意をしました。増え続ける「空き家」をまちの負債とするのではなく、高付加価値な体験を提供する場へと面的に再生し、そこから得られる収益や税収をインフラ維持に還元するモデルを目指します。

■ キーワードは「脱炭素×フェーズフリー」

今回のまちづくりの大きなテーマは「脱炭素×フェーズフリー」です。 「フェーズフリー」とは、日常時(平時)と非日常時(災害時)の境界を取り払い、普段の生活で便利で快適に使っているものが、いざという有事にはそのまま皆さんの命を守る仕組みに変わるという新しい防災コンセプトです。例えば、平時は観光客の移動や環境に優しい「脱炭素」のカーシェアとして走っている電気自動車が、災害による停電時には「動く蓄電池」として避難所へ電力を供給するといった仕組みです。

■ 今年度のゴールは「事業化の土台(設計図)づくり」

いきなり大きな施設を建てたり、開発を進めたりするわけではありません。今年度のゴールは、関わる多様な方々の想いを丁寧にすり合わせ、以下の3つのステップで「いつでも事業化できる設計図」を完成させることです。 ① コンセプトの合意(誰のための再生か、何を守るか) ② 事業構想の具体化(空き家再生や防災基盤など) ③ 推進体制の構築検討(誰が進め、誰が出資するか)

次回の後編では、このプロジェクトに伴走していただく各分野と地域の協働について触れます。

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