小浜温泉まちづくり 夢とリアルをマップに描く。OBAMA RISE 第1回WG × 十八親和銀行DX勉強会を開催しました!
瀬戸正志
小浜温泉街を舞台に、空き家群や遊休アセットを面的に再生し、「脱炭素×フェーズフリー」の持続可能な観光まちづくりを目指す調査プロジェクトを進めています。8月6日(木)、地元の若手経営者グループである「OBAMA RISE」のメンバーを中心にWGを実施しました。
前半に行われた株式会社十八親和銀行による「DX勉強会」と、後半に行われた「エリア活用と未来を描くWG」の様子を、小浜が抱える「リアルな課題」も含めて公開します。

■ 前半:ツール導入で終わらせない!「経営と現場のためのDX勉強会」
まちづくりをデジタルで加速させるため、まずは地元のメインバンクである株式会社十八親和銀行小浜支店とソリューション事業部をお招きし、DXの本質を学ぶ勉強会からスタートしました。
銀行の担当者から語られた最も本質的なメッセージは、「DXはツール選びから始めるものではない。成功の鍵は、ツールではなく進め方であり、自社の将来像(ありたい姿)から今を整理することが第一歩である」という言葉でした。
日々、宿泊施設や飲食店などの現場オペレーションに追われている若手経営者たち。ともすれば「使いやすそうなITシステムを導入すれば業務が楽になるのでは」と考えがちですが、勉強会を通じて「自分たちがこの小浜で、お客様にどんな『ありたい体験』を提供したいのか」というビジョンに立ち返る、重要な時間となりました。

■ 後半:地域のポテンシャルを解き放つ!エリア活用アイデア会議
続く後半のWGでは、これまでの全体計画やゾーニング検討資料をベースに、小浜温泉街のエリアマップを広げてディスカッションを行いました。
今回の対象エリアは、議論を拡散させず、まずは小浜の中心的な商業・居住エリアの範囲にフォーカスを絞り、自治会とも密接に連携しながら検討を進める方針が固まりました。
1. 私たちが直面している「リアルな課題と前提」
私たちは、このプロジェクトを単なる「きれいごと」や絵に描いた餅で終わらせるつもりはありません。WGの中では、メンバーから小浜の厳しい現状や課題が次々と飛び出しました。
• かつて約35件あった小浜の旅館が現在は14件程度まで減少し、民宿もほぼ消滅していること。
• 外国人観光客の食後の散策ニーズに応える、夜間の回遊性(ライトアップや演出)が不足していること。
• 駐車場が繁忙期に極端に不足する一方で、平日は余裕があるという「偏在問題」があり、新設された駐車場の距離もネックになっていること。

2. それでも諦めない、若手たちの「夢とアイデア」
こうしたリアルな課題やハードルを全員が正しく認識した上で、それをどう「面白い未来」へ転換していくか。予算や前例の枠を取り払った、ワクワクするような夢のアイデアが飛び交いました。
• 「分散投資・多コンテンツ戦略」の採用: 一点集中の大きなハコモノを建てる博打的な投資を避け、メンバーの小さなアイデアを数百万規模の小規模先行案件として複数同時に、段階的に進めていくこと。
• 地元の既存商店との「協創・役割分担」: 日常の買い物はこれまで通り地元の既存の商店がしっかりと支え、新たな観光拠点では観光客やインバウンド向けの特別な体験コンテンツや週末のマルシェなどを展開する。お互いの強みを活かし合い、地域全体の経済を大きくする補完関係を目指します。
• 「夕日」で泊める仕組みづくり: 小浜が持つ最強の資源である「夕日」を活かし、景観スポット(生目神社など)への導線整備を行うことで、日帰りで帰さず「泊まりたい」と思わせるストーリーを作ること。
• 釣り資源の最大活用: 宿泊者に釣り具を無償提供し、釣った魚を地元の飲食店等で有料で下処理・刺身化してもらえるサービス。衛生管理や責任の範囲を明確にしながら、地域全体で宿泊価値を高める挑戦です。
• マリンパークの利活用検討: 小浜温泉のランドマークである「マリンパーク(足湯・ほっとふっと105周辺)」を、源泉かけ流しのさらなる活用や、地元の物販、蒸し釜の利用によって、より地域に根ざした形で楽しんでいただけるよう、民間主導での日常的な利活用のあり方について活発な意見交換が行われました。
• 短期滞在拠点の整備: リゾートバイトなどの若者が1〜3ヶ月滞在しながらまちの担い手(実務補助)となってくれるよう、空き家や民泊を活用した滞在拠点を整備すること。

■ 次のステップ:毎月の継続ワーキングで夢をビジネスに育てる
今回の第1回WGを皮切りに、OBAMA RISEでは今後、毎月こうした実践的な勉強会とアイデア会議を継続して重ねていきます。
次回9月は、今回出し合った「若手たちの等身大の夢」をさらに深掘りし、「観光動線×高付加価値な体験サービス」の設計へとステップアップする予定です。どのような動線を描けば、小浜の豊かな海や地熱、夕日の魅力を五感で体験してもらい、地域全体に経済が還流する仕組み(ビジネスモデル)を作れるか、より解像度の高い議論へと進めてまいります。
完璧な答えを外から持ってくるのではなく、地域の課題を自分たちで可視化し、企業の技術や金融の知見を借りながら、一つずつ形にしていく。これこそが、私たちが目指す「本当に信頼される、自走するまちづくり」です。