小浜温泉まちづくり「安心・安全」をアップデートする。日本トップクラスの技術と挑む、防災インフラ構築の最前線
瀬戸正志
現在、私たちは小浜温泉の空き家群を面的に再生し、「脱炭素×フェーズフリー(平時・有事両用)」の持続可能な観光まちづくりを目指す調査プロジェクトを進めています。 今回は、「安心安全・インフラユニット」の定例ミーティングの様子をお届けします。

■ 住民の皆さまの「リアルな不安」にどう向き合うか
雲仙市の担当者から共有されたのは、8月末に予定している地域への説明会に向けた声でした。災害などの影響もあり、地域の方々は「有事の際の避難誘導や安全確保が本当にできるのか?」という強い関心と不安を抱かれています。
こうした懸念をただ受け止めるだけではなく、プロジェクトの「設計図」にどう反映させていくかを重要課題と位置づけました。いただいたリアルなご意見は各専門企業へしっかりとフィードバックし、地域との対話を重ねながら段階的に計画へ落とし込んでいきます。

■ 最先端テクノロジーで「見えないリスク」を可視化する
小浜温泉は、急傾斜地による土砂災害リスクや沿岸部での津波リスクなど、複雑な地形条件を持っています。この課題に対し、日本を代表する企業がタッグを組んでいただいています。
• 株式会社ゼンリンによる「面的デジタル化」 複雑に入り組んだ小浜の路地や建物の情報を、ゼンリンの高精度地図データで可視化します。さらに9月には、実際にスタッフが現地を歩いて空き家の状態や道路状況を確認し、机上の空論ではないリアルなデータを提供します。
• 大成建設株式会社による「避難シミュレーション」 ゼンリンの地図データを基盤に、大成建設が地震や豪雨などの「複合災害」を想定した高度な避難シミュレーションを検討します。地震等で閉塞する可能性のある狭隘(きょうあい)道路の情報も反映し、より現実的な避難ルートの検証に努めます。
• 「自立型建築」の防災アドバイス 12月頃には、平時の快適性と有事の安全性を両立する分散型ホテル等に向け、大成建設の設計本部より防災上の設計案や自立型設備(蓄電池等)に関する具体的な助言をいただきます。

■ アプリを使った実践的な「デジタル避難誘導」
ハード面の整備だけでなく、ソフト面の実証も進めます。観光アプリ「STLOCAL(ストローカル)」を活用し、平時の観光情報発信に加え、有事を想定したスマートフォンへの「避難誘導プッシュ通知」検討します。土地勘のない観光客をいかに的確に安全な場所へ導くか、デジタル誘導インフラの効果を検証します。

■ 雲仙の未来を共に創るパートナーへ
このプロジェクトは、まだ「課題の抽出と要件整理」という基礎段階です。最初から完璧な答えが用意されているわけではありません。だからこそ、課題から目をそらさず、日本トップクラスの知見を結集して「世界基準の安心・安全なまち」を創り上げようと取り組んでいます。
企業や投資家の皆さまには、このように進める「正直なまちづくり」に共感いただき、共に未来の小浜へ投資・参画していただけることを願っています。また、移住をご検討の皆さまにも、私たちが「命を守るインフラ」にどれだけ真剣に向き合っているかを知っていただければ幸いです。
これからも雲仙ポータルでは、プロジェクトのリアルな進捗を発信し続けます。